11月28日(木) 第3回 社会福祉事業団実践発表会を行いました。
本発表会は、日常の諸課題に対する実践成果や、失敗、継続実践中の活動を発表し、情報共有を図るとともに、情報伝達能力やサービスの質の向上、事業の発展強化、実践欲を養い、法人全体のチーム力を高めることを目的として開催。
今年度の発表では、入所者様が達成感を得られるような主体的な活動づくり、病気や身体状態じゃなく想いに寄り添い実現することが利用者様の幸せや支えになる、自分の道を歩む利用者に合わせた環境づくりや作業提供を行うことで本人の強みを引き出していくなど、6施設から事例を用いた発表がありました。
92歳の男性(要介護1) 遠方に住む長男から、1年以上お風呂に入れていないと相談があり訪問。買い物、ゴミ出しは近所の方が心配して行ってくれていましたが、汚れた衣類や物が散乱し、冷蔵庫には期限切れの食べ物が沢山。「1人暮らしは続けさせられない」と長男、本人から「自分の家からも稚内からも離れたくない」と意見がありました。そこで、デイ・訪問介護サービスを開始し、基本ケアで健康管理を行いました。
【健康に暮らすための4つの基本ケア】
①水分ケア…水分補給を促すが飲んでいただけない→好きな飲み物や水分の多い食べ物を冷蔵庫に入れて減り具合を調査した結果、しっかり水分を摂っていただけるようになった。
②食事ケア…痩せすぎな体重→ヘルパーが一緒に食べたいものを作ったり、購入したり、デイサービスで昼食を提供し、体重が増加!低栄養や筋力の低下を防ぐことができている。
③排便ケア…便秘で食欲がない→表を作り排便チェック。かかりつけ医に相談し、デイ潮見園にて下剤を管理。内服しても排便が無いときは浣腸を実施。デイ職員とヘルパーが連携し排便チェックを行い、必要な処理をし、便秘が解消され食事を摂らなくなることがなくなった。
④運動ケア…デイ・訪問サービスを利用し、人と交流する機会を作る。季節行事や余暇活動への参加を促す。
本人の希望でデイサービスの利用回数が増え、身体を動かす・人と関わる機会も増え、表情が良くなりました。地域住民の協力もあり介護度が維持され、現在も自分の家で生活することができています。※一部抜粋
「稚内にいたい、自分の家で過ごしたい」という一番の願いを叶え、行き届いた細かな配慮から、
本人の生活・健康面の改善点と解決方法をみつけ、継続した支援を行った潮見園が優秀賞に輝きました!
「介護のプロとして、何ができるかを常に考えていることが分かる」
「自立支援と笑顔を大切にしている。ご高齢の方の排便がとても重要なことがわかった」
「利用者の立場になって、何をしたら良いのか考えている。利用者が笑顔になっているとき、職員も笑顔になっているという言葉が参考になりました」
「大変素晴らしい発表。気持ちを新たに業務に励むことができるのではないでしょうか。」
今年度で3回目を迎えた実践発表会。毎年、各施設の様々な気づきや取り組みの発表があります。
入所・入居・利用者様が幸せに、安全かつ健康に日常生活を送っていただくために、職員が沢山の努力や工夫、気配り、職員間の連携を行っているかを、傍聴者全員が改めて気づかされます。
また、他施設の取り組みを知ることができ、自分の施設と比較したり、違う形で取り入れたりすることもできます。発表会を糧にして今後も業務に励んでいただきたいです。